青色信号

雑念

推しと...milkyway

事件が起きた。推しが三次元に現れた。

むかしから何事もドライなDD茶の間。ごくせん2期、花男、イケパラ、AKB全盛期は世代的にバッティングしているのに全てにおいてライトな気持ちしか向けられていなかった。

強いていうならしゅきぃ!となった男は夢幻伝説タカマガハラの隆臣くん(頚椎が)とお兄ちゃんに付き合ってワケワカランまま見てた初代平成ライダーオダギリジョー様(頚椎がいい)くらいでしょうか。鬼滅みてCLAYMOREじゃん!時空異邦人KYOKO暁のヨナをみてタカマガハラじゃん!って叫ぶ害悪です。

夢幻伝説タカマガハラは怪盗セイントテールに匹敵する良作なのでポイントが余っている友人に推しつけまくっている。5巻で完結なのですすめやすいのもある。立川恵先生は言葉の選び方が綺麗。先生の描くヒロインはポワッとしてるのに気概があって素敵。かわいらしいのに庇護系じゃない。民族感のあるコスチュームも良い。日本神話が題材なんて女児にはタマラン。ちなみに十二国記最遊記はギリギリ知らない。最近では金カムの杉本くんが好き(頚椎立派なのに乙女で最高)


沸けない性分が実はずっとコンプレックスだった。JK時代、私の趣味はヲタ(敬称)の人のファンサイトやblogを読むことだった。この世には森羅万象のヲタがおり、そのほとばしる愛の強さを文章の熱量から浴びる。カスタマイズされたfc2の向こうには私に足りないものが満ち満ちていた。遅ればせながら推し燃ゆを読み、活動意欲が湧いた。


人生に熱感が欲しくて、ここ2ヶ月周囲のヲタへ布教を依頼していた。ユマと年代のジャニーズのDVDを鑑賞した。そのグループにはメグが好きだった子がいた。夫と同世代の、ユマからすると十分オッサンであろうアイドルがキラキラしていた頃だ。2001年生まれでそこを選択領域にしているのか。自らが年齢1桁当時の推しの円盤を買い漁るユマの魂に胸を打たれた。アツい、アツいぜ。

ジャニーズは秘伝のタレを受け継ぐかのようなお決まりの型、伝統芸があるらしい。知らなかった。しかしながら最近の若手たちは小物が多いらしい。現役JDなのにはやくも懐古厨になってしまって困ると言っていた。若手に属するらしい人々が同い年でビビる。ジャニーズも高齢化している。知らない文化に触れるのは新鮮で面白かった。珍しい歌詞もあるもんで。メモメモ。そしてスグ引用。

四天王(マイコーQUEEN、ビヨ子、GAGAちゃん)を聞きながらベッドで泣いてたJC時代だったけど、KinKi曲の歌詞は好きだった。日本語の機微がゆらめいている。光一くんキャラと結婚しておきながら実は剛くん派です。剛くんの曲街しか知らんけど。大好き。定期的に聞きたくなる。オダギリ元帥がイニシエーションとなってしまったせいで骨格重視の趣味だけれど、世代を選べるならkinkiチェッカーズ、ひろみ郷などのヲタになってみたい。夢いっぱいになれそう。

職場のARMYのお姉さんからもDVDを借りた。非現実的な品質だった。彼らはもしかして銀河の守護者とかなのかな?ホーちゃんには今再燃しているらしい初代テニミュも借りた。原作は最初の方は知っている。品質云々を超える何かがあった。違う方向性で劇薬だった。

そんなことをしているとYouTubeAIは有能でガンガンにオススメを入れてくる。


ひとたび自分ごととして視点を変えれば画面の中の物が人間に変わる。その人間の造形の上に線が引かれる。最悪だった初恋の彼に似てるうなじ、プロポーズを受けられなかった彼と同じ不景気なつり目、休日にジュニア陸上のコーチをしていた彼の横顔と喉仏。思い出というには相応しくない、記憶ほど明瞭とは言い難い、しかし自分の中に確実にあるナニカたちのトレース。それらがツボ押しのように脳の奥深くの凝りをほぐす。


そしてついに出会ってしまった。私の個人的な嗜癖を詰め込んだような推し。

ツァ!!ーーー!脳汁が出る。


これか。みんなはこれが楽しいのか。やっと分かった気がする。

うまれてはじめて友人に推しについて語ってみた。「夫?」、「顔の濃さ以外夫みがある」との感想を貰った。言われてみれば。そもそも夫自体がナチュラルボーン2.5次元なので家族というよりも嗜好品めいた味わいがある。私が太ったことを気にしていると「陶子さん、キューピーちゃんだね」と言って微笑んでいる。光属性。発想がドリーミングすぎておかしい。それを平気で口に出すところがおかしい。いとしい。

夫は歌っても踊ってもくれないので本当に有難い。格好良い!とかキュン!とかは正直無い。ただただ深く有難い。感謝の正拳突き。推しは推せる時にナントヤラなのでせっせと映像に課金する。グッズは買わんけど。結局やっぱり茶の間だ。ヲタへの道は遥か遠い。