青色信号

雑念

ブレイクタイム

もうすぐいとこの誕生日だ。CHANELの新作リップを買った。昨日発売日だったらしく、欠品している色もあった。みんな情熱がすごいな。モマンとほぼ同じ色が出ていた。Ver.マスクにつかぬ〜Updated〜。似合うだろうなぁ。


マスクに付きづらいリップは持っていなかった。自分用に他の色を購入した。大切なのは彩度だ。艶が無いタイプは白みの加減が合わないと途端に顔がボケッとして冴えなくなる。しかし鮮烈すぎると洋服を選ぶ。72番が良かった。ICONIQという名前が可愛い。今手持ちにない赤々としたリップ。夫は嫌いらしいがめちゃくちゃ似合う。シンプルな服のとき用。しばらくブラウン一辺倒だったので緊張している。似合う色だと目がピカッと光って見える。よい。


ずっとクリニークエスプレッソポップとD&G120番を使っていた。とくに不満は無かった。

エスプレッソポップはクッキリとした澄んだブラウン。名前の通りコーヒー色。深煎り。奥行き感がある。ほのぼのとしたモカブラウンやテラコッタとは全く異なる。真夏につけると妖しい感じになるので気に入っていた。熱帯植物。ブラウンカラーのドラセナやアンスリウム。外気温の暑苦しさに対し、無感情でシーンと佇むアノ雰囲気が出る。冬は冬で空気全体の冷たさと良くマッチした。余計なお色気感が無いため、「ん?化粧?そんなに頑張る気無いです。私が興味あるのは陶磁器ですよ」という感じの悪さを出せる便利アイテム。しかしながらファーとの相性が抜群に良く、唇にたっぷり乗せた途端にヴィランに変身できる代物。これを作っているのがそこはかとなく健やかなイメージのクリニークなのが面白かった。きっと今はほかでも似たようなのがあるだろうな。NARSとかADDICTIONあたりが出していそう。偏見だけど。


D&Gのミスシシリーの120番は、スッケスケの赤みを控えたブラウン。2年前?はまだ伊勢丹新宿本店のポップアップでしか入手できず、外資系のブラウンリップの展開も古っぽいローズブラウンばかりだったので珍品だった。ロバートの秋山氏にそっくりの男性BAさんがすてきにメイクしてくれて、アナタならイケるわとのせられてまんまと買った。何故か好きになるのは男性の美容師さんやBAさんばかりだ。コンセプトに沿って仕立ててくれる。セルヴォーグで若草色やシルバーグレーのアイシャドウ、水色のマスカラを買ったときもそうだった。イエベとかナンセンスなこと言わない。女性のBAさんは流行っているだの、売れているだの、目が大きく見えるだのと言ってくる割合が高い。

120番はケーキの上のシュクレフィレみたいな感じ。意味あんの?ってくらいシアー。そこが最高にロマンチック。透け透けの中にチラチラパールが光ってキュート。これは元の唇の血色が良い若いお嬢さんのためのモノ。実は自分の唇が元から真っピンクなことをちょっぴり不便だと思っている。イケてる感じになりたいけど、テラコッタやオレンジのマットリップが似合わない。どうしても、もとの瞳や肌の輝きが勝ってしまう。それを無視して塗りつぶすのは最高にダサい。NG。そんなお嬢さんがピンクの唇にミーッっと塗ると、つやんとブラウンのフィルターがかかる。元の血色感と合わさると、キャラメリゼしたような唇になる。半トーンだけ大人になる。そういう奴。そういうヤツです。

私は可愛い女子大生じゃないけど、ニュアンスだけつくこのリップは便利だ。グロスの皮膜感とは違い、オイルの薄い艶感。すっぴんの時にこれを塗って眉毛と髪の毛をウエットに仕上げるだけでそれっぽい。抜け感と化粧感のバランスが取りやすい。どんな服にでも合う。ド直球な甘ったるいバニラの香りもまた良い。唇の色がピンクなうちにこういうリップを楽しんでおきたい。一見トンチキな品だけど汎用性が高い。同じシリーズでレモンイエローやフューシャのカラーがある。一体いつ使うんだろうというお祭り感。セルヴォーグのイエローグロスが流行る前からD&Gはとっくに踊っていた。


2つとも仕上がりはお気に入りなんだけど、ゆるい液のためマスク生活には全く持って不向き。口元に色があるだけで気分が締まるからまたリップを探さなくては。シュウウエムラヴィランになれそうな色があったから来週見に行こう。ファーを纏う前までに欲しい。


この冬はフンワリした色や質感のアイテムを使う予定なので、合わせるためにベージュも欲しい。しばらく使って良かったら60番を買い足す。透け透けのパーリィベージュで可愛かった。コーデが浮かぶ。例えば、クラシカルなミニワンピ。足元にはカプリコーンモヘアソックスの新作のフワフワバージョンの子。靴はストラップシューズかバレエ。他には、ハイネックのリブニットにレザーのハーフパンツ、ニーハイブーツ。首元にモヘアのマフラーを巻く。来月NARSからもベージュのシリーズが出るようなので待機するか悩む。コーデが完成しない間って落ち着かない。


その昔、大好きなうつわ屋のご主人に「うつわを手に取ってごらんなさい。どういうものを盛り付けるかが浮かんできたら、あなたにとっての良いうつわですよ。そうじゃないものは無理して手に入れなくたって良いよ」と言われたことがある。作家もののうつわは二度と手に入らないから、悩んで買い逃したり、不要なのに買ってしまうことがしばしばあった。見抜かれていた。その日は深煎りのコーヒーがよく似合いそうなカップと、バターやクロテッドクリームを使う分だけ盛ってテーブルに出す用の小付を購入した。どちらもよく食卓にのぼっている。うつわ以外の買い物の時もよく蘇る言葉。最近調子良くコーデが浮かぶから財布の紐がゆるい。