青色信号

雑念

ジダイ

神楽坂の老舗の甘味処でアイスグリーンティを飲む。同僚の20代の女の子は新卒。このあたりの大学だったらしい。モノノベさんが好きな餃子と抹茶で退職を祝います!と連れてきてくれた。私も大好きな街だっのでひときわ嬉しかった。東京のちいさなフランス。今ちょうど山内マリコさん原作の映画が公開されているのを思い出した。彼女がこのあたりのカフェレストランの話を何かの記事でしていたからだ。甘味処の隣の席には男子大学生が6人いた。あからさまにこちらに視線が飛んできてうおおとなる。学校みたいだ。このへんで学生したら楽しそうだなぁ、と思い同僚に聞いてみるも、私の4年間は好きな人とかできなかった。社会人になったら彼氏が出来ると思っていた。チャラチャラした人は嫌だし自分と対等な学歴が良い(早慶かそれ以上)とのこと。しかしcovid-19のため入社式が無くその打算は終えたらしい。対ヒトとのことって事前学習はできないもんなぁ。ふと映画化された小説がよぎる。大切に育てられてきただろう横浜のお嬢さん、世の中には色んな世界があるんだよ。無理したり頑張らなくていいから自分と手を繋いでいてね。そう祈る。


最近の新人たちのメモ。

財布のゆるさに元気のなさが現れている。


ピンキーリング@hirotaka

ダイヤとブラックダイヤがハーフになったデザイン。料理の仕上げにかける胡椒みたい。糸みたいに華奢な地金に黒いダイヤがピリリ。ファランジにもしたいから2号にした。息の短そうなものに中途半端にお金をつぎ込むならこちらのほうが良い。


〈ガーネットのオーダーリング@komi

人に何て言われようとこれは無駄使いじゃありません。シグネットリングにちっこいハートのガーネットを2粒とブラックダイヤを埋めてもらった。キメキメよりおちゃらけた格好のほうが元気が出ることってある。あるある。


〈ハット@Ecua-Andino

去年代官山をふらふらしていて買ったまっ白のチューリップハットが気に入っていた。装飾が無くクリーンなニュアンスを纏える。今年はニナリッチのビジュアルのお嬢さんのようにつばが下がったレディなのものを購入。赤い帽子のクッキー缶の女の子のような雰囲気もある。ブラウンにした。ロマンティックなワンピース類に合わせても良いし、ショーパンに合わせても程よくカチッとしてストリート色を強めないで済む。バケハは顔に似合わない。多少おすまししていたほうがマシに見えるタイプ。


〈キャミワンピ@baum und pfergarten

これはレミニセンス……と呟いたフォト柄。マーブルとタイダイ柄は去年やり尽くしたからもう売る。光沢とハリ感があってクシュッとした素材。新聞をラミネートしたみたいで可愛い。baumは毎回色んな生地感のものを出してくるので好き。キャミワンピって流行り廃りありそう。しかも終わりそう。そんな気がするのだけど生地の質感の魅力に逆らえなかった。


〈アンティーク時計@Hermes

時計に興味がない。そもそも時間を確認することが嫌い。高校生の時に海外ドラマを見て一目惚れして買ったハミルトンのもの1本しか持っていない。4月から仕事で腕時計が必要になると夫に相談したところ、「俺が腕時計を愛でるのは男性がオフィスワークで身につけられる数少ないアクセサリーだからね。女性ものは全然分からないけど、やっぱりCartierのタンクは素敵だと思うよ。男性用のタンクも凄くドレッシーで優美で、欲しい時期があったんだよ」「でも、陶子さんってそこまでのもの必要なの?ガチガチにスーツを着るとは思えないし、女性ならNOMOSUNIQLO化したやつとかで良いんじゃない?(恐らくダニエルウェリントンのこと)」とのコメント。んああ。確かにィ。「あ、俺、大学生のとき買った使ってないNOMOSがあるよ!あげようか?うーん、でも陶子さんは小柄だからフェースが大きいの似合わないかもね」のおお。確かにィ。今売っているブランド時計はレディースでも映え重視なのかフェースが大きい。気がする。探すならアンティークか。ということで銀座。元々時計(というか時間を気にすること)嫌いだし、好きじゃない付け方をしている人が多いせいで、RolexΩに抵抗感が強い。GUCCICHANELは鞄が似合わないから却下。Tiffanyは潔いシンプルさで良かったけど、個人的に付ける人を選ぶなと感じた。ヴァンクリや本命だったIWCロンジンも数が少ないためこれというものに出会えず。Cartierはそれ単体で見たらグッと来るものが沢山あった。細部まで作り込まれた造形や色合い、光沢の扱い方がジュエリーのようで関心した。夫の「ドレッシー、優美」という言語表現が蘇る。明らかに他とは違うアクセサリーとしての技巧の用い方。「Cartierの時計は金字塔」というブランド力を得ることに大いに納得できた。そして相変わらず夫の言葉は信頼できると思った。信頼ってただのファン心で信仰なんだと実感する。私は夫のセンス、すなわち感覚神経のファンなのだ。美しい反面、Cartierの時計はかなり服を選ぶ。バーキンと一緒だ。魅力の強すぎるモノはそれが主役になってしまう。スーツというのは「型」があり枠組み以上の造形にはならないから美しい時計が映えるのだ。バーキンが「合わせやすい名品」なのも、他がシンプルな「型」であれば鞄の魅力が映えるからだ。決して「色んな服に合わせやすいから名品」なのでは無い。バーキンだって「型」から外すコーデはバランスの取り方がかなり難しいと思う。あーこれ表で言ったら叩かれそ。25anscちゃんとか見てたらパワーと経験がいるって思うじゃん。そうして結果、Cartier程ジュエリー色の強くないシンプルなHermesに落ち着く。もっと構えていたけれどお手頃でびっくりした。これだけバーキンに言及するだけあってクリッパーやウォッチではない。無識者の私は知らないモデル。フェースが四角いフォルムで、文字盤のフォントが気取っていなくて良い。デザインのアンティーク感が強くないのでモダンな格好にも合う。