青色信号

雑念

石の真子

夫の転勤でこちらに来てから謎に品が良いと言われまくる。一度も褒め言葉に聞こえたことが無い。AB型っぽいというのも褒め言葉に聞こえない。大概新しい職場の職員紹介では癒し系と言われる。これは褒め言葉なのか。制服は便利で、制服にくるまると優しそうな人間に見えるとのこと。親世代の人には石野真子さんに似ていると言われるが平成生まれの私は存じあげなかった。田舎のお嬢様って感じのアイドルらしい。あーそういう意味か、とググった。芦屋生まれ、三姉妹の真ん中だそうな。共通点ナシ。昭和の可愛さがギュギュ!てなお顔立ちだった。動画だとなんとなく似ているかもしれないと思う。声がものすごく綺麗で可愛い。歌唱技術もある。平成の団体アイドルよりまじでキャラが強い。

 

石は元々好きだ。小さな頃からかたくて丸い造形物、チラチラと光るものがとても好き。実家が日本風の庭だからか。祖父が亡くなってから石灯籠は一度も点けていないし、ししおどしは止まったから、中学生時分には庭を眺めることは無くなった。テストなど追い詰められることがあると廃れたショッピングモールの客層のわからないアクセサリー屋に行っては光の乱反射を見て癒やされていた。

宝石は予想以上の速さで、なのに規則的にラララララララと光る。その光刺激が最高の癒やしだった。それが安かろうと高かろうと私にとっては関係無い。ララめいてくれたらそれだけで価値あるものだった。

 

マトモに宝石に目覚めたのは去年。元々artida oudがデイリーに使えそうでマダム感が無く可愛いと思っていたのが、夫の出張中にひとり時間が有り余ったことで加速した。

 

<artida oudのマルチカラーピアス>

新宿、恵比寿、六本木を練り歩き色石を物色した。売っているのは殆どがリングだった。地金が華奢すぎるだとか、石の肩にセンスの無いオタク臭のする無駄な装飾(ディズニープリンセスとコラボ。みたいな蔦っぽいモニョモニョ)があったりして、日本!!(哀しみの意味で)となった。フィッテングの末「色石のリングつけると手元が重くなるから、相対的に耳元がすごく軽い状態に見えません?それって変では?どうやってバランスを取れば?」という疑問が生まれた。店員さんにその旨を話すと2パターンの返事に分かれ、「まぁー!良く分かっていらっしゃいますね!」と褒められる。or、無言。(返す言葉を無くさせてしまった、気まずい、最低)

そして前者のパターンではインドやタイ感のある1〜2粒の色石ピアスをオススメされるルートに入るのだった。顔が肉っぽい私が1cm四方の色石をつけたところで特に垢抜けはしない。石が瞳の強さに負けてアクリルやレジンに見えるからだ。あまりにナチュラルなデザインだとその“ヌケ感”が“無骨さ”に変換され謎の民族感が漂うのでバッドチョイスだと踏んだ。私の余計なコメント力はどこで買い物していても褒められる。転勤についてきた私はいつも1人でいて寂しいようで、思ったことは直ぐに口に出す悪癖がある。しかし店員さんは褒めるのがお仕事なので悪癖をも褒めてくれる。店員さんのお仕事だと理解していてもなお喜ぶ。ワカッテイラッシャル!嬉しい!!さすが、ワカッテイル私!!単純バンザイだ。だから、リングだけなんて買わない。バランスが取れないから、買わない。

 

という偏屈な然々で色石への執念はサックリ消え約半年が経った。最近仕事が暇すぎてネットをdigっていた。そして久々にartidaのHPへたどり着いた。好きなツイッタラーさんらが時々postしていたのでその度に「やっぱりイイなぁ」と思っていたが、気まぐれにラブラドライトや誕生石のガーネットで検索するとロードライトが入ったマルチカラーのピアスを発見した。モチーフは縦5連なのですっきりとしているし、石の色も寒色と暖色が自然にミックスされていて可愛い。今までartidaで見た他のアイテムは民族感が強いものや色んなモチーフが連なっており合わせづらそうなものが多かったのだがこれはクセが無くて似合いそうだった。

完売が怖すぎて夜中に即ポチした。可愛い可愛い。売ろうと思えば売れるところがなお可愛い。